押忍!
今年も恒例の『プロマリン・スクーバ・ダイビング』さんがツアーで来てくれはった。
プロマリンさんは障害者のダイビングに特化したショップさんで、毎年来てくれはるツアーのお客様の中には、車椅子のお客様もいれば、盲目のお客様もいる。
この盲目のMさんも、今年で俺は3年目のお付き合いになるのだけれど、初めてお会いしたときは「見えへん状態で、どうやって海の中楽しむんやろ?」と不思議で仕方なかった。
しかしこのあと一緒に潜って、「あぁ、ちゃうわ。 このひと楽しんではるわ。」と気付かされることになる。
目が見えない人は、その他の感覚を研ぎ澄まして外部からの情報を取り入れるため、聴覚や嗅覚などが他の人よりも大きく発達すると聞いたことがある。
特に水中では、とりわけ“聴覚”と“触覚”、あと僕らの何倍も敏感であろう“気配を察知する能力”を頼りにして、潜っているのだろうと思う。
Mさんをガイドするときは、マンツーマンの形をとるのだが、カレントフックの一端をMさんが、もう一端をガイドが手に持ってリードする。
「俺はここにいるよ。」と分かってもらうために、出来るだけリードは弛ませないように心掛け、ときには肘に手を添えて安心感を注入する。
Mさんと潜るのは、とても楽しい。
イソマグロが泳いでいても、綺麗なニシキフウライウオがいても、チリチリ鳴らして指差すのでは、Mさんにそれを正確にお伝えすることは出来ない。
Mさんは、触ることに依ってその物体の形を理解する能力に長けている。
ヒトデを渡すと、ありとあらゆる角度から触りたおす。
ナマコを渡すと、手袋を外してその質感を確認する。
ザラカイメンを紹介すると、初めは外側をなめるように触っていき、それが終わると、次は中に手を入れてこのザラカイメンという生き物の構造を完全に把握する。
さながら3Dスキャニングの如しだ。
この人は紛れも無く楽しんでいる。
他の人と同じように、水中での“新しい発見”を、まるで好奇心旺盛な子供のように楽しんでいる。
ご一緒させてもらって、そんなMさんを感じられるのは、ガイドとしてとても充実した喜びである。
白石です。
photo by brucelee
Mさんとぼーち。
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ひこーき。
photo by brucelee
ガッツポーズ。
photo by brucelee
他の人のエントリーを、おとなしく待っておられます♪
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昨日のカビラオの、秘密のパワースポット。
photo by brucelee
チームプロマリンの皆さん、今回もありがとうございましたー!
また遊びにいらして下さい♪